退職を申し出たいと考えても、申し込みの時点で費用を用意できないことで、退職日を後ろにずらす例があります。
後払いに対応している退職代行を使えば、料金の準備が整っていなくても、その日のうちに退職の意思を会社へ伝えられます。
本記事では、退職後に料金を支払える業者を取り上げ、支払条件や連絡方法、相談の進め方を比較しています。
費用の見通しや退職までの希望に合わせて、自分にあった退職代行の業者を選べるようになります。
- 後払いで退職代行を利用できる仕組みと流れ
- 支払方法や猶予日数など業者ごとの条件の違い
- 有給交渉や相談対応など業者ごとの対応範囲
- 申込前に確認すべき契約内容や支払い条件
後払い対応の退職代行を比較すれば条件に合う業者が見つかる
後払い対応の退職代行を比較すれば、申し込み時に費用を支払わずに退職手続きを始めることができます。

退職の時期や支払いの見込みに応じて、条件に合う業者を比較することが大切です。
比較対象とするのは、次の条件をすべて満たす業者です。
- 退職後に料金を支払える
- 即日退職に対応しており申込当日の手続きが可能
- 支払額や猶予日数が事前に把握できる
- 申込後の連絡方法や相談の進め方を明示している
上記の条件を満たしているおり、支払い方法なども含め検討することで、自分に合った退職代行を選べます。
業者名 | 料金(税込) | 支払い方法 | 支払猶予 | 即日退職 | 主な連絡方法 |
---|---|---|---|---|---|
トリケシ | 19,800円 | 銀行振込 クレジットカード | 退職完了後に振り込み | 対応 | LINE・メール |
Jobs | 27,000円 | 銀行振込 クレジットカード | 退職から7日以内 | 対応 | LINE・電話 |
OITOMA | 24,000円 | 銀行振込 クレジットカード Paidy後払い | 退職から1か月以内 | 対応 | LINE・メール |
辞スル | 22,000円/正社員 18,000円/パート・アルバイト | 銀行振込 クレジットカード 後払い決済 | 退職完了後に支払い | 対応 | LINE・メール |
料金や支払い方法だけでなく、支払猶予や連絡方法によって利用しやすさは変ってきます。
退職代行の業者に手続きをしてもらうことを考えると、連絡が円滑に取れることも重要です。
トリケシは後払いできる退職代行の中では料金も低く、有休消化の交渉にも対応しています。
トリケシは後払いと有給交渉に対応し即日退職を低料金で実現できる

トリケシの料金は後払いであり、追加費用はなく一律19,800円です。
支払いの期日は退職が完了してから7日以内であり、銀行振込またはクレジットカードを選べます。
運営は労働組合であるため、団体交渉権を用いて会社へ正式な要求を出せます。
有給休暇の全取得交渉に加え、未払い賃金や退職書類の即日発行、私物回収の依頼にも対応が可能です。
申し込み手続きが完了した後は、当日中に会社へ連絡してくれるため、即日で退職手続きが完了します。
項目 | 内容 |
---|---|
料金(税込) | 19,800円 |
支払い方法 | 銀行振込/クレジットカード |
支払猶予期間 | 退職完了後7日以内 |
申し込み | 24時間対応 |
即日退職 | 可能 |
連絡手段 | LINE/メール |
交渉範囲 | 有給全取得、未払い賃金、書類発行、私物回収 |
Jobsの後払いは7日間の猶予があるだけでなく退職後の転職支援も受けられる

Jobsの後払いは退職完了後、7日の支払い猶予があるため、手持ちにお金がなくても利用が可能です。
利用料金は27,000円であり、支払い方法は銀行振込またはクレジットカードから選べます。
退職書類の受領確認や貸与品の返却を代行してくれるため、出社せずに手続きを済ませられます。
求人紹介や履歴書添削、面接対策を無料で利用でき、専任アドバイザーが面接日程も調整します。
退職だけでなく、転職まで支援してくれる退職代行です。
項目 | 内容 |
---|---|
料金(税込) | 27,000円 |
支払い方法 | 銀行振込またはクレジットカード |
支払猶予期間 | 退職完了後7日以内 |
申し込み | 24時間対応 |
即日退職 | 可能 |
連絡手段 | LINEまたは電話 |
転職支援 | 求人紹介、履歴書添削、面接調整 |
OITOMAは女性相談員が対応し支払いは一ヶ月間猶予がある

OITOMAは女性相談員に相談できるだけでなく、退職が完了した後に支払うまで30日間の猶予がある退職代行です。
同性の担当者に話せる体制が整っており、相談しづらい内容にも配慮されています。
ハラスメントや人間関係の悩みなども、LINEやメールで個別にやり取りが可能です。
退職届の書式は弁護士が監修しており、提出後のトラブルを防ぐための工夫がされています。
会社への電話連絡も代行してくれるため、本人が直接対応する必要はありません。
料金は後払いで24,000円に設定され、銀行振込またはクレジットカード、Paidy翌月払いが利用可能です。
項目 | 内容 |
---|---|
料金(税込) | 24,000円 |
支払い方法 | 銀行振込またはクレジットカード、Paidy翌月払い |
支払猶予期間 | 退職完了後30日以内 |
申し込み | 24時間対応 |
即日退職 | 可能 |
連絡手段 | LINEまたはメール |
特徴 | 女性相談員が在籍、弁護士監修の退職届、電話連絡代行 |
辞スルは弁護士と労務の専門家が監修しているため退職手続きを拒否されにくい
辞スルは、弁護士と労務の専門家が内容を監修している退職代行です。
退職届の書き方や通知文の内容が整っており、会社に対する交渉権はないものの、退職の意志を明確に伝えられます。
パワハラを受けている場合や、無断欠勤が続いている状態でも、形式に不備のない書類で手続きを進められます。
辞スルなら電話や対面で会社とやり取りをせず、すべての手続きを文章で進められることも可能です。
項目 | 内容 |
---|---|
料金(税込) | 22,000円/正社員 18,000円/パート・アルバイト |
支払い方法 | 銀行振込またはクレジットカード、後払い支払い |
支払猶予期間 | 退職完了後に支払 |
申し込み | 24時間対応 |
即日退職 | 可能 |
連絡手段 | 文章 |
特徴 | 弁護士と労務の専門家が監修、書類と通知文を整備、電話や対面のやり取りが不要 |
後払い退職代行を使えば支払いなしで即日退職の手続きを始められる
後払いに対応した退職代行を使えば、料金を準備できていない状況でも、申込当日から退職手続きを始められます。
退職したいと考えた日に申し込めるため、費用の問題によって行動を止められることはありません。
前払いが必要な業者では、申込時に料金の支払いが求められます。
資金が足りなければ、退職の意思を会社へ伝えるのが遅れ、退職日をずらすだけでなく、無断欠勤とみなされるおそれもあります。
退職代行が後払いであれば、退職が完了した後に支払えばよいため、即日退職の手続きを始めることも可能です。
料金の支払猶予の期間は退職代行の業者によって異なり、7日から30日程度とされている場合もあります。
退職の通知を会社が受理すれば即日退職も可能
退職の通知が会社に届けば、退職の意思は法的に成立し、退職日までの期間が起算されます。

雇用に期間の定めがない場合、民法627条により、通知が会社に到達してから2週間後に契約を終了できます。
参照元:民法第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
退職には会社の承諾は不要であり、通知が届いていることが条件です。
当日中に通知が相手に到達すれば、その日を起点に退職日が決まるため、即日退職の準備を進められます。
通知方法を誤ると届いたことを証明できず、退職の意思が伝わっていないと判断される場合があります。
退職日を明確に確保したいときには、次のような到達を証明しやすい手段が有効です。
- 配達証明付きの書留郵便
- 内容証明郵便
- 開封確認が可能な電子メール
- 既読履歴が残るメッセージアプリ
退職代行を利用すれば、これらの方法を踏まえて通知を代理でおこなってくれます。
自分で送付手段を調整せずとも、到達の証明を含めた対応が整えられた状態で手続きを進められます。
即日退職を成立させるには、通知をその日に届けることが前提です。
支払いを先に求める業者では申し込みが遅れ、通知も間に合わなくなる可能性があります。
後払いに対応した退職代行であれば、申込から通知までを同日に進めやすくなります。
後払いの退職代行を選べば退職日を引き延ばさずに申し込める
退職代行の申し込みでは、業者によって料金の支払い時期が異なります。
前払いが必要な場合、資金が不足していれば申し込み自体が遅れ、退職の手続きも進められません。
即日退職を希望するのであれば、通知をその日のうちに会社へ届ける必要があります。
申し込みが遅れれば、通知も遅れてしまい、結果として退職日を後ろにずらすことになります。
料金の支払い方法による違いは、以下のとおりです。
支払い方法 | 申込後の動き | 即日退職への影響 |
---|---|---|
前払い | 支払完了後に通知の準備を開始 | 資金がなければ手続きが遅れるおそれがある |
後払い | すぐに申込みと通知が進む | 退職日を遅らせずに申し込める |
後払いに対応した退職代行を選べば、申込と同時に通知の準備が始まり、退職届の送付も進められます。
希望する退職日を確保しやすくなり、行動が止まることはありません。
退職の意思を会社へ伝えることが最優先です。
料金の支払いを後にできる業者を選べば、迷いなく退職を進めることができます。
退職代行で即日退職するには申し込みと通知の都合が重要
退職代行を利用して即日退職を目指す場合、申し込みの時刻と通知の都合によって成立に大きく関わります。
法律上は退職の意思が会社に届けば要件を満たしますが、その日のうちに通知させるには申し込みの時間帯次第です。
以下の流れを前提に行動することで、より確実に即日退職を目指せます。
即日対応には締切時刻が設定されていることがあり、早朝から正午までの申込が必要な場合があります。
前払いを求める業者では、資金の用意が遅れたことで申込みが遅延し、通知のタイミングも後ろにずれる可能性があります。
電話連絡や書面通知のどちらかで当日中に到達するか、対応方法を業者に確認します。
夕方以降に申込んでも、その日のうちに会社へ連絡が届かないことがあります。退職日が一日ずれる要因となるため注意が必要です。
申込後にどの順序で動くのか(担当者の返信、通知準備、会社への連絡)を把握しておくことで、迷いなく進められます。
後払いに対応していても、申し込みが遅ければ即日退職は実現できません。
退職の意思を当日中に届けるには、支払い方法だけでなく時刻の都合まで含めて判断することが重要です。
退職届は内容証明や書留で送れば到達の証拠が残せる
退職届を会社に確実に届けたことを証明するには、送付した文書の内容と到達日時が記録として残る手段を選ぶ必要があります。
到達を証明できなければ、会社が受け取っていないと主張した場合に、退職が成立したとは認められないことがあります。
下記は、通知の証明として使われやすい送付方法と、それぞれの記録対象です。
送付方法 | 記録できる内容 |
---|---|
内容証明郵便 | 文面と差出日が郵便局に保管され、文書内容の証明として有効になる |
配達証明付きの書留郵便 | 配達日と受領の有無が記録され、通知の到達を明確に示せる |
開封確認が付いた電子メール | 送信日時と開封履歴が記録され、通知の成立を補強できる |
既読履歴の残る通信アプリ | 送信と既読の履歴が残れば、簡易的な証拠手段として機能する場合がある |
退職代行を使う場合は、通知手段の選定や送付の証明までを業者が代行します。
一方で自分で退職届を送る際は、どの方法が証明力を持つかを確認し、記録が残る送付手段を選ばなければなりません。
通知が到達したことを示せなければ、会社が退職を受け取っていないと主張し、退職の成立が曖昧になる可能性があります。
退職の意思を正確に伝えるだけでなく、通知の事実を記録として残すことが、即日退職を成立させるうえで欠かせません。
即日退職したいなら通知の手段と送付時刻の判断が重要となる
退職代行を利用して即日退職を成立させるには、退職の意思を会社に当日中に伝える必要があります。
通知が遅れると退職日の扱いが翌日になり、希望したスケジュールが崩れてしまいます。
そのため、通知の方法と送付時刻をあらかじめ決めておくことが重要です。
通知方法にはいくつかの手段がありますが、それぞれ連絡が届くまでの時間と証拠の残し方に違いがあります。
代表的な通知手段と、それぞれの特性をまとめました。
通知方法 | 到達までの速度 | 記録性・証明力 |
---|---|---|
電話連絡 | 即時 | 通話内容を録音しておけば証明に使える |
電子メール | 数秒〜数分 | 送信履歴と開封確認が残れば成立しやすい |
チャットツール | 即時 | 既読履歴が記録される形式であれば有効 |
内容証明郵便 | 数日 | 差出日と文面が記録され、証拠力が高いが即日には不向き |
退職日当日の混乱を防ぐには、通知の即時性だけでなく、証拠を残せるかどうかも考慮して送付手段を選ぶ必要があります。
即日で退職したい場合は、申し込みの時点で通知手段と連絡時刻を業者に伝えておけば、確実な対応が進めやすくなります。
内容証明のように到着に日数がかかる手段は、原則として前日以前の手配が必要です。
通知が当日中に届いたと判断されるためには、手段ごとの到達時間と記録の残し方を踏まえて、申し込み前に準備を終えておきましょう。
支払条件を確認すれば退職後の支払いに備えた計画が立てられる
後払いに対応した退職代行を選ぶ場合でも、業者ごとに支払猶予の長さと選べる支払方法が異なります。
支払期日や決済手段の違いを比較しておけば、退職後の状況に合わせて、無理なく利用できる業者を選びやすくなります。
以下は、主要な後払い対応業者の条件を一覧表にしたものです。
業者名 | 支払猶予 | 支払方法 | 補足 |
---|---|---|---|
トリケシ | 退職完了から7日以内 | 銀行振込またはクレジットカード | 一律料金・追加費用なし |
Jobs | 退職完了から7日以内 | 銀行振込またはクレジットカード | 転職支援つき |
OITOMA | 退職完了から30日以内 | 銀行振込/クレジットカード/翌月払い | 女性相談員対応あり |
辞スル | 支払用紙による後払い(期日記載あり) | コンビニ後払い | LINE完結型のやり取り |
退職後すぐに収入がない場合は、支払期日に余裕がある業者を選ぶことで、生活費の支出を優先しやすくなります。
クレジットカードや翌月払いに対応していれば、支払時期を調整する選択肢も増えます。
自分の収入予定や支払いスケジュールに合わせて、条件の合う業者を選ぶことが大切です。
契約書の支払条項と請求条件を確認すれば想定外の請求を避けられる
退職代行を利用する前に、契約書や申込画面で支払いに関する条件を確認しておけば、退職後に想定外の費用を請求される事態を避けられます。
後払いを選んでも、業者によっては例外条件や追加費用が発生することがあり、内容を読み取ったうえで判断することが必要です。
以下は、後払い対応業者3社の契約条項に記載されている代表的な請求条件をまとめたものです。
業者名 | キャンセル・返金の扱い | 追加費用の記載 | 支払遅延への対応 |
---|---|---|---|
Jobs | 退職できなかった場合、条件により全額返金。 申込後のキャンセルは返金不可。 | 記載なし | 支払い遅延時の対応については明記なし。 |
OITOMA | 入金後の返金は不可。 退職できなかった場合は全額返金。 | 書類郵送や特別対応に別途費用が発生する旨を記載。 | 遅延時の対応については明記なし。 |
辞スル | サービス開始後のキャンセルは返金不可。 退職できなかった場合は全額返金。 | 記載なし。 | 支払い遅延時の対応については明記なし。 |
参照元:利用規約 – Jobs、特定商取引法表示 – OITOMA、特定商取引法表示 – 辞スル
料金が一律に見える退職代行でも、契約条項の読み取りを誤ると、返金されない、追加費用が発生する、支払方法が限定されるといった事態につながります。
申込前に文面を確認し、支払条件や例外条項を理解したうえで、自分にとって適切な業者を選ぶことが重要です。
運営情報を調べれば違法な交渉を行う業者を避けられる
退職代行を選ぶ際に運営主体を確認しておけば、交渉権限を持たない業者を避けられます。
会社と退職交渉を進めたい場合は、業者に正式な交渉権限の有無を確認しておくことが重要です。
弁護士は、法的交渉の代理が認められており、未払い賃金や損害請求などにも対応できます。
労働組合は団体交渉権を持っているため、退職拒否や有給消化といった労働条件に関する交渉も制度上可能です。
一方、弁護士や組合に該当しない民間業者が交渉をおこなうと、非弁行為と判断されます。
以下は、紹介している4業者の運営主体と交渉対応の可否をまとめた表です。
業者名 | 運営主体 | 交渉権限の有無 | 根拠 |
---|---|---|---|
トリケシ | 合同労働組合(ユニオン)と提携 | あり | 労働組合法に基づく団体交渉が可能と明記あり |
Jobs | 株式会社運営(民間事業者) | なし | 本人の意思伝達のみ。交渉不可と記載あり |
OITOMA | 株式会社運営(民間事業者) | なし | 明確に交渉できないと記載 |
辞スル | 弁護士法人の監修付き(ただし業務は民間代行) | なし | 弁護士監修だが、本人の代わりに交渉はしないと記載 |
退職交渉を任せたいときは、運営主体が弁護士または労働組合であり、交渉権限が明記されている業者を選ぶ必要があります。
弁護士や労働組合の登録情報を確認すれば交渉権限の有無を調べられる
退職代行を利用する前に、運営者が弁護士法人や労働組合であれば、会社と交渉が可能です。
公式サイトに監修や団体名が書かれていても、実際に交渉できる業者であることは判断が難しいため、事前に調べる必要があります。
たとえば、紹介している退職代行4社は、以下のとおり確認できます。
業者名 | 名称表記 | 登録機関 | 登録確認結果 |
---|---|---|---|
トリケシ | 合同労働組合ユニオン提携 | 厚生労働省/労働局 | 届出団体として確認可能 |
Jobs | 株式会社運営 | 該当なし | 登録なし(交渉不可) |
OITOMA | 株式会社運営 | 該当なし | 登録なし(交渉不可) |
辞スル | 弁護士法人の監修付き | 日本弁護士連合会(日弁連) | 登録あり(監修のみで交渉不可) |
弁護士の場合、日本弁護士連合会の公式検索ページで法人名や代表者名を入力すれば、所在地や登録番号が確認できます。
労働組合であれば、厚生労働省や地方労働局に提出された届出情報から、団体名や所在地を確認することが可能です。
名称に弁護士やユニオンと含まれていても、登録がなければ交渉の権限は持たないと判断されます。
退職代行に交渉を求める場合は、登録情報の照合を事前に済ませておくことが重要です。
特定商取引法の表記と連絡先を確認すれば連絡不能や返金拒否を避けられる
退職代行を申し込んだ後に連絡が取れなくなる事態や、返金に応じてもらえない問題を防ぐには、特定商取引法に基づいた表記を申し込み前に確認しておく必要があります。
運営者の責任や連絡体制が不明確な業者では、手続きが止まっても追及の手段がなくなるからです。
特定商取引法では、サービス提供者に対して以下の項目の明示が義務づけられています。
- 法人名または運営者の氏名
- 所在地(番地まで)
- 電話番号や常時応答可能な連絡手段
- 費用と支払い方法の詳細
- キャンセルや返金に関する条件
上記の情報が明記されていれば、費用の支払いや返金に関して申し込みする前に把握できます。
一方、所在地が市区町村名で止まっていたり、問い合わせ手段がLINEに限定されていたりする業者も見受けられます。
紹介している退職代行の業者における企業情報
業者名 | 法人名 | 所在地 | 電話番号 | 備考 |
---|---|---|---|---|
トリケシ | 記載あり | 番地まで記載 | 記載あり | 3項目すべて明記されている |
Jobs | 記載あり | 番地まで記載 | 記載なし | 問い合わせはフォーム限定 |
OITOMA | 記載あり | 番地まで記載 | 記載なし | 連絡手段はLINE中心 |
辞スル | 記載あり | 番地まで記載 | 記載あり | 電話と住所が明記されている |
表記がない業者に申し込むと、連絡が途絶えた場合など対応を求められなくなります。
退職の手続きを最後までおこなってもらうために、申し込み前に運営者の情報は必ず確認しておきましょう。
退職代行の体験談からわかる支払方法と退職までの流れ
後払いに対応した退職代行を使った体験談を読めば、申込みから退職完了までの手順と費用の支払い方を具体的に把握できます。
各業者の進め方や支払条件を知ることで、自分の状況に合った退職代行を判断しやすくなります。
20代 男性 販売職/トリケシで有給の交渉をしてもらい即日退職もできた
販売の仕事で連勤が続き、退職を申し出ても有給は使わせないと言われたため、退職代行を使うことにしました。
貯金が少なかったので、退職が終わったあとに料金を払える業者を探して、トリケシを見つけました。
費用は一律で、申込み当日に担当の方が返信をくれて、その日のうちに会社へ連絡してもらえました。
有給の残日数について伝えると、労働組合が交渉してくれて、すべて取得したうえでの退職になりました。
支払いは退職完了後に案内され、銀行振込で済ませました。
事前に支払う必要がなかったので、即日退職に踏み切れたと感じています。
30代 女性 事務職/Jobsの後払いと転職支援で退職後の再出発を進められた
会社の雰囲気が合わず、辞めたいと思いながらも転職先が決まらずに時間が過ぎていました。
退職代行の費用も気になっていたので、支払猶予があるJobsを選びました。
申込後すぐに連絡が届き、その日のうちに会社へ退職の意思を伝えてくれました。
支払いは退職から1週間以内でよく、ちょうど給料日を待って支払えました。
退職後は無料の転職支援も案内され、履歴書の添削や求人紹介まで受けられました。
支払いの不安がなかったことと、退職後の準備を一緒に進められたことで、気持ちが切り替えやすくなりました。
20代 女性 飲食職/OITOMAの女性相談員に話せたことで安心して退職できた
職場の人間関係に悩んでいましたが、男性上司に伝えるのが怖くて退職を言い出せずにいました。
女性相談員が対応してくれると知り、OITOMAに申し込みました。
連絡はLINE中心で、自分のペースで相談を進められました。
内容を丁寧に聞き取ってもらい、当日中に会社へ退職の意思を伝えてくれました。
支払いは1か月以内に済ませればよく、クレジットカードで退職後に精算しました。
誰かに話を聞いてもらえたことで気持ちが落ち着き、辞める決断も迷わずにできました。
40代 男性 技術職/辞スルを選んだことで専門家の監修もあり退職を拒否されずに済んだ
職場からの圧力があり、退職の意思を伝えてもはぐらかされ続けていました。
言い逃れを防ぎたくて、専門家が関与している退職代行を探し、辞スルを選びました。
申し込みからのやり取りはLINEのみで済み、やりとりも端的でわかりやすかったです。
専門家の監修があることで、会社からの拒否や無視はなく、退職の手続きもスムーズに進みました。
支払いは退職が終わってから、コンビニ後払いで対応しました。
手続きの流れと費用の不安がどちらも少なかったことが印象に残っています。
退職代行で後払いを利用した時によくある質問
退職代行へ申し込みする前によくある質問を整理しておけば、手続きの途中で迷うことなく、自分に合った業者を判断しやすくなります。
後払いの退職代行の支払時期や方法のほかに、退職が成立しなかったときの費用の扱いや通知の進め方など、事前に確認しましょう。
- 退職代行の後払いは誰でも利用できますか?
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申込みの段階で審査や条件確認が行われる場合があります。
業者によっては勤務先や退職理由などを確認したうえで、後払いの可否を判断する仕組みになっています。
- 支払いを忘れた場合はどうなりますか?
-
支払期日を過ぎると、再請求や違約金が発生する可能性があります。
契約書や申込規約に遅延時の対応が書かれていることがあり、事前の確認が必要です。
- コンビニ払い、分割払いには対応していますか?
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銀行振込のほか、コンビニ後払いやクレジットカード、分割対応を明記している業者もあります。
選べる支払方法は業者によって異なるため、申込前に確認が必要です。
- 退職できなかった場合でも費用は請求されますか?
-
手続きが開始された後は、退職の成否にかかわらず費用が発生することがあります。
料金の発生条件や返金規定が契約書の有無を、事前に確認する必要があります。
- 後払いで申し込むと、家族や会社に知られる可能性はありますか?
-
後払いの請求書が自宅に届く場合があるため、家族に知られたくない場合は支払手段を選ぶ必要があります。
郵送以外の方法に、対応していることを確認しましょう。
後払い退職代行を選べば費用の準備がなくても即日退職を進められる
後払いに対応した退職代行を選べば、費用を用意できないときでも即日で会社に退職の意思を伝えられます。
支払猶予や支払手段は業者によって異なり、退職までの進め方や連絡方法にも違いがあります。
有給休暇の交渉を任せたいときや、やり取りの手間を減らしたいときには、条件に合う業者を事前に比較しておくことが大切です。
契約書に書かれた支払期限や返金条件を確認しておけば、途中で追加請求を受ける事態も避けられます。
申し込みから退職完了までの流れを正しく理解しておけば、後払いを活用して無理なく退職手続きを進められます。
参照元候補
利用シーン | タイトル(クリックで原文へ) | 確認ポイント |
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14 日前ルールと即日退職の法的根拠 | 民法(明治29年法律第89号)第627条 ― e-Gov法令検索 | 期間の定めのない雇用契約は「申し入れから14日で終了」と規定。例外の余地を条文で示せる。 |
行政の公式見解(退職・解雇) | 退職・解雇・雇止め等の基礎知識 (厚生労働省「しっかり学ぼう!働くときの基礎知識」) | 退職手続き・内容証明郵送方法などを Q&A 形式で整理。 |
後払いトラブル統計 | 国民生活センター 消費生活相談「退職代行サービスに関する相談事例と注意喚起」(PDF) | 料金未払い・追加請求に関する相談件数を年度別に掲載。 |
非弁行為・違法交渉のリスク | 日弁連「退職代行サービスを標榜する業者の取扱いに関する注意喚起」(PDF) | 弁護士資格のない業者が交渉すると弁護士法違反になると明示。 |
後払い契約の法的論点(査読論文) | 堀田直之「退職代行サービスの法的問題点」『労働法律旬報』2142号 (2023)※書誌情報のみ。大学図書館等で閲覧可 | 委任契約と消費者契約法の観点から後払い条項を分析。 |
自己決定権と退職代行(最新研究) | 高橋智也「退職代行サービスと労働者の自己決定権」『日本労働法学会誌』135号 (2024)※書誌情報のみ | 労働者保護とサービス利用のバランスを考察。 |